人の社会には機構改革・人事異動がある。その目的は言うまでもない。
そんな大袈裟なことではないが、我が家の庭で人事異動ならぬ植木異動を行った。行ったのは他でもない当主の私で、異動の対称になったのは、これまで庭の片隅で大きな植木の引き立て役を演じてきた紫陽花、デュランタ、サツキ、万両の面々である。
狙いは、他の植え木に囲まれ本来の能力を発揮できず満足に花を咲かせることができなくなった、デュランタを日当たりの良い場所に移動させ、その紫の花で庭のコーナを盛り上げようという魂胆である。
その最適な場所には、花芽を一杯つけたサツキがある。デュランタにその場所を譲るとなると、サツキの移動先を探さなければならない。あれこれ考えた末、紫陽花にその席を空けてもらうことにした。
紫陽花は、植えてからもう7~8年になり株が大きくなりすぎて、狭い器の中では居場所を見つけることも出来ず、後輩にその席を譲って引退してもらうことにした。
まず紫陽花に席を空けてもらい、そのあとにサツキが移動し、サツキの跡に2本のデュランタが移動した。
この移動のあおりを受けたのが、紫陽花の横に寄り添っていた2本の万両である。
今まで紫陽花の側で、秋から冬にかけ、紫陽花の引き立て役を演じていたのに、紫陽花がなくなった今ではその場を失うことになり、ひっそり窓際族よろしく他の植木の側に植え替えられる運命になった。果たして何時までその場所を確保できるか、いささか不安な場所に違いないのだが。・・・。