昨日の朝日新聞「天声人語」で、夜顔を夕顔と間違えたことを詫びる一文があった。
一瞬、うん?と思って読み返した。
正直言って、
「夜顔」が存在することを知らなかった。長年趣味の園芸に携わってきた者として、無知を恥じる思いだった。
早速、「花の辞典」で調べてみると、確かに「ヨルガオ」があった。
「夕方になると甘い香りを漂わせながらアサガオに似た純白の大輪花開く・・・」とある。ヒルガオ科の蔓性植物、花はロート形で夕方から咲き始め翌朝にしぼむ。
別名夕顔ともいう。日本には明治の始め渡来した。
写真は「夜顔」、インターネットよりお借りしました。
もう一つの標準和名「夕顔」は、ウリ科の野菜(かんぴょうの原料となる)で、「夜顔」(別名夕顔)とは全く別の品種である。日本には平安時代に渡来した、とある。
源氏物語や枕草子」に出てくる「夕顔」は、まさにこの「夕顔」であったことは言うまでも無い。
日本には、「朝顔」、「昼顔」、「夕顔」があって、明治時代に「夜顔」が登場するのだが、既に標準和名の「夕顔」が存在したにも関わらず「夜顔」の別名を「夕顔」にしたのは何故だろうか。
「夜顔」といえば、「夜の顔」の何処となく怪しげなイメージが付きまとうからなのか、それとも「ヨルガオ」より「ユウガオ」の方が言い易いか馴染み易いからなのだろうか。