4000万本以上の木を植えた男

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 九州市民大学2月講演は、植物生態学者 宮脇 昭 氏の「いのち森づくり」~生物社会の掟にしたがって~であった。
 氏は、「本物の自然を自分の目で見、においをかぎ、なめて触って調べる」現場主義に徹し、各地域の植生を徹底して調べ、その土地本来の潜在植生に従った森づくり進め、「宮脇方式」を確立した人である。

 氏の話は、国内外1700ヵ所以上で、各地で繰り広げられる防災・環境保全林つくりを、実生苗つくりから土つくりを自ら指導して4000万本以上の木を植えた男と称されるだけあって、机上の理論ではなく、実にリアルで説得力のある内容だった。

 特に印象的だったのは、今各地で進められている防災・環境保全林つくりの多くは、現場を知らない役人の机上のプランに基づくもので哲学がない、と手厳しいものだった。
1本何万~何十万円もする成木を植え、1本の木に1本3千円もする支柱を何本も添える。枯れた場合でも1年間しか保障なし。これで地域ぐるみの防災・環境保全林が出来るわけがない、とも。


 苗つくりから土つくり、そして植林まで地域住民が参加して自らの手で自分達のために森を作る・・・・しかもそれが3年・5年後には立派な林に育つ、・・・これが宮脇氏が唱える防災・環境保全林再生法である。
 この講演を聞いて、一般市民として防災・環境保全林の作り方いついて認識を新たにさせられたが、むしろ市・県等行政の関係者に聞いて欲しい内容であった。

 かって福岡市の第3セクター博多港開発が引き起こした、人工島植栽用に1本100万円(とも言われた)もする欅の木を大量に購入した事件、しかも塩分に弱いと言われる欅を埋立地に植える発想を誰も止めることが出来なかった、世にもお粗末な事件があったのを思い出した。

 当時、どうしてこのような宮脇方式を学ぼうとしなかったのだろうか。もしこの宮脇方式で防災・環境保全林つくりをしていたら、やせ細った欅に代り、今では立派な林が出来上がっていたに違いない、と思うのは私一人ではないだろう。
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by matutaka31 | 2012-02-20 22:03 | 思いのまま | Trackback | Comments(12)
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Commented by hibochan at 2012-02-21 07:13 x
講演お聞きしたかったです。
防災なんて大げさでは ありませんが今荒れ放題の山林に植林整理してます。
昨日も遊休地に性懲りもなく三本植え込み五本発送依頼中
Commented by dojyou38 at 2012-02-21 09:24
<むしろ市・県等行政の関係者に聞いて欲しい内容であった>
その通りだと思います。
公園や街路樹にしても、植樹する木が大きすぎるように思います。
小さい木は見栄えはしないが直ぐに大きくなります。
その地に馴染んで大きくなっていないので枯れやすいです。
それから、何で外国由来の樹種を植えるのか良く分りません。
Commented by sibuya at 2012-02-21 09:43 x
環境保全を意識した森づくりを進める事は大切な事です。
災害を防止する・動植物を育てる森になって行く・・あわせて
海の幸(魚・海藻など)も育てる‥宮脇方式を積極的に推進して
ほしいものだ。
Commented by matutaka31 at 2012-02-21 15:28
hibochan さんへ
一人ひとりが里山に木を植える努力をすれば、災害に強い国土が甦ると思います。
なにかと言えば、造園業者にお金を払ってお任せにする、・・・困った風潮になりました。
Commented by matutaka31 at 2012-02-21 15:38
dojyou38さんへ
九州大学伊都キャンパスへのアクセス道路に、人工島で行き場を失った1本100万円の欅が植えられ、周りの自然と調和しない異様な光景が目立ちます。
 道路も公園も大きな成木を植え、維持・管理費に膨大な経費を費やす・・・、こんな役人の暴走を止められないものでしょうかね。
Commented by matutaka31 at 2012-02-21 15:45
sibuya さんへ
宮脇方式は、開発途上国でも大きな成果を上げ、高い評価を受けているようです。
地域住民が参加し、共通の目的に向かって取り組み方式が、共感を得ているように思いました。
Commented by taminamikawa1 at 2012-02-21 21:10
宮脇先生の防災・環境保全林つくり方式に大賛成です。
よくビールメーカーが植林事業を推進しているコマーシャルを
見ますが、今後は行政・NPO・ボランティア等でやっていければと
思いますね。
Commented by matutaka31 at 2012-02-22 09:33
taminamikawa1さんへ
おっしゃるように、ビール工場の周りは宮脇方式の植栽だと思われる林が出来上がっていますね。
防災用には、直根が深く伸び、枝葉が茂るシイ・カシ・タブの木がお勧めだとおっしゃっていました。
身近なところでこのような催しがあれば、参加したいと思っています。
Commented by maimai at 2012-02-22 11:00 x
自然災害の豪雨による土砂崩れなどで、大きな被害が出るたびに
専門家による原因の追究が盛んに行われ、現在の山林の樹木のことが取り上げられています。もう、個人の力の及ぶ状況ではなくなっているのではないでしょうか、国、行政に個人と同じ意識で取り組んでほしいものです。
Commented by matutaka31 at 2012-02-22 11:26
maimai さんへ
最近山歩きをすると、荒れ放題の里山を良く見かけます。
一方では乱開発が進み、起きるべくして災害が多発していますね。
何時のまにか、行政と業者のペースで自然破壊が進み、
住民の知恵と力がないがしろにされる時代に変ってしまいましたね。
何かが狂っている・・・そんな気がしてなりません。
Commented by tenpai8 at 2012-02-22 17:13 x
自然の真髄を知り尽くした素晴らしい「本物自然党」ですね。全面賛成の考えです。更に一つ「公園のソメイヨシノ」は「責任持って手入れの行き届く公園だけ」にしましょう。その他の桜は山桜系統の日本原産桜にして花を長年楽しみましょう!
Commented by matutaka31 at 2012-02-22 20:14
tenpai8 さんへ
高い経費をかけて植えた、公園のソメイヨシノが寿命半ばにして枯れていくのは見るに忍びないですね。
このままだと、日本の公園の桜はどんどん枯れていくのが目に見えるようです。
生命力の強い山桜で、もっと日本の自然を取り戻して欲しいですね。


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