「近くに居ながらこんないい所があるなんて・・・」と思うことが多い灯台下暗しの私にとって、遠い昔に思いを馳せながらの探訪ウォークは最近の楽しみである。
今回は、緑を求めて新たな発見に胸を膨らませ・・・、大濠公園~日本庭園~NHK福岡放送局~護国神社~福岡城跡~舞鶴公園のコースを辿った。
福岡市営地下鉄「大濠公園駅」を出ると、そこは大濠公園入り口。
天気が良い日は家族連れで楽しむ人たちで込み合う中、ジョギング・ウォーキングを楽しむ人、犬と散歩する人等々大勢の人たちで賑わう。
特に目立つのが、犬を散歩させる人達の多いことである。さながらドッグショーの感がある。
そんな賑やかな雰囲気を脇目に、入り口正面に架かる橋を渡り、池の真ん中を南北につなぐ緑豊な小島を進むと池の南側に出る。
少し東寄りに歩くと、そこには県立日本庭園がある。
65歳以上の高齢者は入場料無料。造園技術の粋を集めた静かな日本庭園は時間をかけて観賞する価値がある。しばしの間時を忘れて散策する。
日本庭園を出て、右の方に廻るとNHK福岡放送局がある。
公開放送がある時間帯に運良く出くわすと放送実況が楽しめると思うが、生憎そのようなイベントはなかったので、館内をぐるりと見学するに止めて次へ。
NHKの直ぐ隣に、福岡県護国神社がある。この神社は、明治維新から太平洋戦争までの国難に殉じた福岡県関係の護国の英霊約13万柱を祀る神社である。
緑に包まれた広大な敷地内は、普段は参拝する人影もほとんどなく、静かに散策ができる場所である。
護国神社を出て、北の方角に歩を進めると、そこはもう福岡城址。
この福岡城址の北側には、春の観梅・観桜で多くの人たちに親しまれる舞鶴公園があり、ここ南側はその舞鶴公園の奥まった場所だけに、人通りも疎らで静かな雰囲気に包まれている。
一面みどりに包まれた石垣や櫓跡を観賞しながら、福岡城が栄えた時代に思いを馳せながらのんびり歩くと、花見時には想像できない静かさに包まれ、福岡市の中心部ににいることを忘れさせてしまう程である。
綺麗に造成された大濠公園やIT技術の粋を集めたNHKを経て、日本の文化を象徴するような日本庭園、一転して国難に殉じた犠牲者を祀る護国神社、更に江戸時代へと舞台は展開していく。
緑に包まれた同じような環境の中にありながら、夫々の時代に関わった人達の思いがぎっしり詰まった歴史を実感する変化に富んだコースである。
近代の技術を実感するかたわら古い時代に思いを馳せながら、のんびり散策することが出来るこの緑に包まれたコースは、わざわざ遠くまで行かなくても、身近なところに素晴らしい場所があることを知らせてくれる散策路だと思う。
秋には紅葉が見られ、また別の光景が展開することだろう。
その時期に同じコースを歩くのが楽しみである。