とんとんとんからりと隣組 格子を開ければ顔なじみ
廻して頂戴回覧板 知らせられたり 知らせたり~♪♪♪~
NHK朝ドラ「梅ちゃん先生」を見て、ふとこの歌を思いだした。
この歌、昭和15年に政府が自治体組織として「隣組」を普及させたいために作った歌であるが、その隣組組織の目的は、祭祀慶弔、隣保班の親睦相互扶助および慰安、災害防空等々、市町村役場や官公庁・各種団体との連絡協調だったようだが、結局は国策を遂行させる為に上位下達で政府が利用するためのものだったようだ。
そんなことは一切知らない私は、子供の頃、この歌を心地良く聞いた記憶がある。
当時の政府が目論んだことは別として、この歌詞には、今の日本の社会に無くなってしまった地域の温もりを思い出させ、何かしら一種の郷愁を感じるものがある。
私は今の町内に15年前引っ越してきたが、それ以来、この隣組の歌に込められたような雰囲気を感じることは残念ながらなかった。勿論、時代背景が異なることは承知のうえであるが・・・。
通り一遍の挨拶は交わすけど、それ以上に気持ちが通じ合う間柄をもち続けることができる人は、ごく僅かである。
皆が自己中心的になり、思いやり、譲り合い、助け合いの精神が希薄になって、隣近所のお付き合いも希薄になっているのが現実である。
時代背景も個人の思想信条も大きく変った現在、当時の官製歌が受けないのは分かり過ぎるほど分かっているが、
それにしてもこの歌の歌詞に秘められた向こう3軒両隣の生活環境は大事にしたいものである。
隣組の歌 作詞:岡本 一平 作曲:飯田 信夫
とんとんとんからりと隣組 格子を開ければ顔なじみ
廻して頂戴回覧板 知らせられたり 知らせたり
とんとんとんからりと隣組 あれこれ面倒味噌醤油
ご飯の炊き方垣根越し 教えられたり 教えたり
とんとんとんからりと隣組 地震や雷 火事どろぼう
互いに役立つ用心棒 助けられたり 助けたり
とんとんとんからりと隣組 何軒あろうと一所帯
こころは一つの屋根の月 纏められたり 纏めたり