「ボストン美術館-日本の至宝」展

 大宰府天満宮でのお参りを終え、天満宮に隣接する九州国立博物館に向かった。
 同博物館で現在開催中の「ボストン美術館-日本の至宝」展観賞。 
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展示場入り口に掲げられた「雲龍図」 龍の頭部

 明治時代、日本人は西洋かぶれと云われるほど西洋美術に現を抜かし、日本美術には目を向けず多くの貴重な絵画を売り渡してしまったため、数多くの日本画が海を渡ったという。
 今となっては取り返しの付かない、惜しいことをしてしまったものだ。
 配布されたパンフレットによると、「アメリカ・ボストン美術館の日本絵画が、かってないスケールで里帰りします」とある。
 そのような経緯のある絵画展だけに、私が生きているうち二度とないチャンスだと思うので、是非見ておきたかった。

 今回展示されている絵画70点のうちボストン美術館から里帰りしたのは、厳選された絵画46点である。
  展示の順序 
    第1章 仏のかたち神のすがた(出品21点、うちボストン美術館17点)
    第2章 海を渡った二大絵巻  (出品6点、うちボストン美術館2点)
    第3章 静寂と輝きー中世水墨画と初期狩野派(出品15点、うちボストン美術館12点)
    第4章 華ひらく近世絵画(出品17点、うちボストン美術館7点)
    第5章 奇才 曽我蕭白(出品11点、うちボストン美術館8点)

 一旦展示場内に入って1時間ほど経った頃、当日午後予定されていた講演会に参加するため一旦展示場外に出て、「大宰府天満宮特別企画講演会「海を渡った名画ーボストン美術の桃山・江戸絵画」・・・講師:河野元昭氏」の90分間の講演を聞いた。
 絵画に疎い私たちにとって最初のうちは、なんだか難しい内容だったので、つい居眠りをしそうになってしまった。
 隣の仲間はどうかとそっと様子を伺うと、真面目に資料を見ている様子。
 居眠りしてはいけない・・・と気を取り直したそのとき、仲間の上体が緩やかに前後に揺れている・・・。(^_^)
 やはり同じ・・・だな~と内心ホッとしながら眠いのを我慢して良く聞いていると、作者の画風(例えば直角・水平・45度とか大胆な描画等々)や、何を画いたものであるか等、夫々その絵画の説明があり、絵画オンチににも分かりやすい内容に話が進んで行ったので、それからは眠気が吹っ飛んでしまった。
 お陰で講演後観た絵画は、講師の説明を思い出しながら観たため、楽しく観賞する事が出来てよかった。
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松島図屏風 尾形光琳筆

 観るもの全てが印象的だったなかで圧巻だったのは、「奇才といわれる曽我蕭白の奇想天外で勇壮な「風仙図屏風」、奇抜で大胆且つ個性的な「雲竜図」、そして間抜けな千人が若い女の白いふくらはぎを好色ないやらしい目付きで見ている「龐居士霊昭女図屏風」(見立久米仙人)、それにユーモラスなタッチで画かれた吉備大臣入唐絵巻等々であった。
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風仙図屏風の一部分 曽我蕭白筆


 こんな素晴らしい大作が母国に保存されていないことは、日本の芸術界にとって大変残念なことである。
 日本から流出してしまった貴重な絵画、おそらく二度と観ることはないだろう。


 観終わって閉館までの約20分間、常設展示場の「印籠展」を観た。
 何十いや何百種類の印籠が展示されているのを観て、当時の高級武士や金持ちの商人たちの日頃の生活ぶりの一端を知るようで、ドラマ水戸黄門の印籠ぐらいしか馴染みがない私は正直驚いた。

 このような機会に恵まれたことは、想い出に残る貴重な体験で、大宰府天満宮から九州国立博物館の一日は、楽しさと同時に新たな知識を得た充実の一日になった。
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by matutaka31 | 2013-02-14 17:12 | 思いのまま | Trackback | Comments(10)
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Commented by hibochan at 2013-02-16 08:06 x
ボストン美術館については TV等で知ってましが素晴らしい作品
水戸黄門が出てくるとは 驚き
自身BS4ぶらぶら美術館が好きで毎週楽しんでます。
Commented by matutaka31 at 2013-02-16 09:55
素晴らしい絵画が、外国にたくさん流出したのは残念です。
時間をかけてゆっくり観ることができ、感激しました。
近くに国立博物館があり、恵まれた環境に感謝です。
Commented by tenpai8 at 2013-02-16 11:06 x
matutaka31 さん梅と芸術鑑賞、最高でしたね。時代が動く時、歴史が変革する時、芸術が被害者ですね。日本でさえ明治改革ではこの通り。現代中国の慙愧の思いは如何ばかりでしょうかね?自身で自国の誇る文明遺産を壊滅させたのですから。
Commented by tetsu807-2 at 2013-02-16 12:08
〈ボストン美術館ー日本の至宝〉展その講演も聴かれたとのこと
充実した時間を過ごされたことと思います。先日は時間切れで
間に合わず、そのうち、と思っているうちに期日切れにならない
ように留意しています。
Commented by matutaka31 at 2013-02-16 23:14
tenpai8 さんへ
先だって、アジア美術館で中国の抑圧された画家達の絵画を
観ましたが、観るほうが陰鬱な気持ちになってしまいました。
日本の絵画の素晴らしさを思い知らされました。
Commented by matutaka31 at 2013-02-16 23:17
tetsu807-2さんへ
必見の絵画展だと思いますよ。
観終わったとき、充実した気持ちになれましたから・・・。
是非、観賞されることをお勧めします。
Commented by siawasekun at 2013-02-17 01:28 x
おはようございます♪♪

「ボストン美術館-日本の至宝」展、・・・・・・。
良かったようですね。
素敵なショットと解説から、様子、雰囲気、伝わってきました。

いろいろ見て、楽しめました。
心和みました。
ありがとうございました。

昨日は、とてもあたたかいコメントに、心より、恐縮、深謝、深謝です。

Commented by dojyou38 at 2013-02-18 14:21
16日大宰府天満宮境内の松島茶屋で観梅会があり、
その後でボストンを観賞する予定でしたが、飲みすぎたので改めて出直すことにしています。
海外へたくさん流出したのは残念ですが、
あの当時の状況で日本に残っていても行き届いた保管が出来ていたか心配があったかも知れませんね。
Commented by matutaka31 at 2013-02-18 15:37
siawasekun さんへ
心尽くしのコメント有難うございます。
もう二度と見れない名画だと思うと、日頃絵画に疎い私までもが、一層その見応えを感じてしまいました。
音楽と同じように絵画も、人の心を癒してくれる大切なものだと、今更ながら認識せられました。
Commented by matutaka31 at 2013-02-18 15:44
dojyou38さんへ
おっしゃるとおりボストン美術館で保管・修復されていたため、今の姿があるのかも知れませんね。
博物舘だけの日程で、時間をかけてゆっくり観る価値は十分あると思います。


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