尾張徳川家の至宝展

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 九州国立博物館で開催中の「徳川御三家筆頭 尾張徳川家の至宝」展、徳川家の家宝に特別関心があるわけではないが、これから先果たして観る機会があるか分からない国宝展だけに、会期をあと1日残した7日、同じ思いの仲間と観に行ってきた。




 この展示会は、徳川美術館(名古屋市)所蔵の尾張徳川家ゆかりの品約180点を特別展示したもの。

 尾張徳川家は、家康の九男義直を初代とする、徳川御三家の筆頭だけに多くの歴史的に貴重な品々が残されていている。

 入場すると、まず徳川家康の肖像画が、我々を迎えてくれる。
 展示会期1日前の土曜日とあって大勢の観客が訪れ、場内ではトコロテン方式さながらにどんどん押し流され、ゆっくり説明を読む間が取れなかったのが残念であった。

 まず、大名の表道具である刀剣や甲冑、武具が展示され、特に名作日本刀の数々は、他の武具よりひと際私の目を引き付けた。そして私が子供の頃、家に保存されていた刀を親に内緒で振りましてみてその重さにビックリした記憶を甦らせた。

 武家は戦によって身を立てるだけでなく、茶の湯・能・香といった教養を身に付けていたので、それらの道具が展示されていたが、私には猫に小判みたいなものでも、いずれもその道に通じた人にとっては垂涎の逸品ぞろいに違いない素晴らしいものばかりに見えた。

 さらに武家の教養として必要な琴・将棋・書・画を嗜むための道具も展示されていて、大名家に相応しい格式というか贅の限りを尽くした道具を競って揃えていたことがうかがい知ることができた。

 際立っていたものに「初音の調度」があった。
 数え年三歳の娘を嫁に出すこと自体今では想像もできないことなのに、このような贅沢な調度品を用意するのは、戦国時代を生き抜いてきた武士にとっては、当たり前のことだったのだろう。

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調度品の一部(インターネットより借用)



初音の調度とは(末尾、More参照)


  流石に徳川家だけに、贅の限りをつくした数々の名品の他に、信長、秀吉から家康に贈られたものも展示されていて目を見張るものばかりで、当時このような名品を作る技術があったこと自体も驚きであった。
 特に、能衣装の鮮やかな織物は素晴らしく、私の想像を遥かに超える、驚くべき技術が当時既に存在していたことは驚きであった。

 このような贅沢な品々を手にすることができたのは、当時の権力者ならではのことで、欲望を充たすと同時に自分の存在を際立たせる、ステータスシンボルみたいなものだったのだろう。
 しかしながら、その陰には多くの小大名、更にその領民達の血と涙があったことを思い浮かべると、複雑な気持ちになってしまった。
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九州国立博物館




「初音の調度」とは、寛永16年(1639)9月20日、三代将軍家光の長女千代姫が数え年三歳、今日で言えば満二歳六ケ月で尾張徳川家二代の光友に嫁いだ際に携えてきた蒔絵の婚礼調度の一群を指します。
その豪華さは終日見ても見飽きることがないと讃えられて、「日暮しの調度」とも異称されました。
平成8年には従来の重要文化財の指定品の57種の外に未指定であった香道具や太刀、長刀、附属の文書などを加えて一括して75種が国宝に指定されました。
 「初音の調度」とは千代姫婚礼調度の総称の通称であり、このうち47種が『源氏物語』の 「初音」の帖に題材をとった蒔絵意匠であるために全体が「初音の調度」と呼ばれてきました。

(徳川美術館の説明を引用)
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by matutaka31 | 2013-12-08 16:16 | 思いのまま | Trackback | Comments(6)
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Commented by hibochan at 2013-12-09 08:21 x
只今池波正太郎 真田太平記 全十二巻読み返してますが現在十一巻 大阪夏の陣
博物館すきなのですが国立東京博物館訪れてません
水戸徳川博物館がありますが規模が小さいです。
Commented by 晩節を行く農民 at 2013-12-09 08:54 x
お早うございます

この日、尾張徳川家の至宝展を見に行かれた際の模様ですね
写真、それに加えお宅様の感想等を見せて頂いて居ります

将に長がきに亘り栄華を誇った徳川家、その豪華さに驚きながら、その裏でそれを支えた人達の事を考えると感概深いものがあります

栄枯盛衰、世の常とは言いながら今、この徳川家の子孫の方々はどの様な暮らしをと考える次第です

又、初音の調度のmoreも見せて頂きました 凄い・・・・

何はともあれ その当時の権力者のステータス意欲と工芸・美術のレベルの高さに感心して見聞させて頂き有り難うございました

     では失礼致します
Commented by matutaka31 at 2013-12-09 14:38
hibochan さんへ
現職の頃は歴史を覗くゆとりがありませんでしたが、
今は近代史が面白くなりました。
暇を見つけて、歴史探訪をしています。
戦国時代から江戸時代初期に生きた、生死を賭けた、
諸大名の駆け引きは凄さを感じます。
Commented by matutaka31 at 2013-12-09 14:46
晩節を行く農民 さんへ
純粋に当時の技術を評価すれば良いのでしょうが、どうしても当時の
権力者の奢りが垣間見えてしまいます。
個人の所有物にしないで、国宝として大切に保存していくのは
良いことだと思います。
これからも、可能な限り史跡めぐりや博物舘廻りをして、
日本の歴史をもっと知りたいと思っています。
(ちょっと遅い目覚めかも知れませんが・・・。)
Commented by dojyou38 at 2013-12-11 10:01
私は9月初に行きましたが比較的空いていました。
名古屋城は空襲で天守閣を含め多くを消失したのに、
これらの宝物はどこかへ避難させていたのでしょうね。
これからも、大切に守り継いで欲しいものです。
Commented by matutaka31 at 2013-12-11 23:27
dojyou38 さんへ
徳川家の至宝は、海外に流出することもなく、戦災で消失することもなく、
無事保存されてきた稀に見る国宝だそうです。
それだけに大切に保存してほしいものですね。
国立博物館が近くに出来たおかげで、めったに見る機会がない
貴重なものを見ることが出来て幸せです。


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