バナナは子供の頃の私にとって、めったに食べることが出来ない、憧れの果物だった。
そのバナナが今では、バナナのたたき売りに象徴されるように、スーパーで一山〇〇円の目玉商品になり、いつでも好きなだけ食べれるようになったのは私にとっては嬉しい現象。
今日の主役。私は果物?野菜?それとも・・・
みんなで決めてね。
先日
福岡市植物園に行ったとき、温室の中で、「バナナは果物と思いますか?」と突然仲間に聞かれた。
一瞬、ウ~ンと考えたが、子供の頃抱いていたイメージから
感覚的に「果物かな・・・」と返事をしてしまった。
ところが、目と鼻の先にバナナが成っていて、その側に答えが書いてあった。
「バナナの実は果物ではなく、野菜(果菜)に分類される」と書いてある。
一瞬どうして野菜なのか、美味しい果物のイメージが焼きついていた私は、正直驚いた。
説明板を読んで、なるほど・・・。植物については少なからず自信を持っていたので、いささかショック!
一言で言えば、「木に成る実は果物、単年性草類に成る実は野菜と分類される」と説明されている。
バナナが成るのは、バショウ「芭蕉」で、これは草本に分類される。
(バショウの幹(偽茎)の切り口を見れば、葉が幾重にも重なり合ったもので、木ではなく草であることがよく分かる。)
なるほどそういうことか!いわゆる
植物学上の分類では、バナナは野菜になるということ。
一つ賢くなったな~、と内心その場では納得。
ところが後日談が・・・。仲間との議論が盛り上がる!
木に成る実が果物なら、どんぐり・椎・栗や梅の実は果物か? また草本類に成る実が野菜なら、スイカ・メロンやイチゴは野菜か?・・・の議論になった。
(この際勉強と思って、いろいろ調べたところ、諸説あることが分った)
世の中には右か左か決め兼ねることが多いのと同じように、果物と野菜の分類にも、どこかに無理があるので、いろんな説が絶えないのだろう。
そこで使われる表現が、「一般的に・・・といわれる」玉虫色の表現だ。
なるほど
「木に成るものは一般的に果物と言われる・・・」これでドングリや椎の実は例外となり、分りやすくなる。更に、「調理しないでそのまま美味しく食べられるもの」とすれば一層分りやすくなる。
一方農水省は、「スイカ・メロンやイチゴ等々、草本類に成る実を野菜とは別に分類して
「果菜類」としている。
いわゆる植物学上の分類とは別に、
業界における分類が存在する。
ところがこのように分類してもなお、これらを食べる(消費する)人間の感性では納得できないような気がする。
つまり、単品で見た目も綺麗で美味しいものを、ナス・キュウリ、トマト等の果菜と同じ仲間にすることに抵抗を感じてしまう。
お土産やお見舞いにするとき、野菜のイメージより果物のイメージが良いに決まっているので、専門的な分類はそれはそれとして、
人の感性による感覚的な分類で、
バナナは果物で良いというところまで行き着いてしまった。
どうやら果物と野菜の分類に関する問題は、クイズや理科の試験問題にすると、ややこしくなりそう。
さて皆さんは、バナナは果物、それとも果菜、どちらに軍配を上げられるだろうか。
暇つぶしの話題にされてはいかが。