被爆稲栽培の取材を受けて

 長崎で被爆した稲の69世代目になる稲を作り続けて、今年で9年目になる。
 
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69年目の被爆稲、2鉢合わせて8株(7月30日の様子)

今日(30日)、糸島市の「糸島新聞」から、被爆稲の栽培について取材を受けた。
 取材内容は、被爆稲を管理している様子を写真に撮った後、栽培を始めた経緯、今どのような気持ちで栽培を続けているか、そしてこれからも続けるか等々の聞き取りの他、被爆体験の語り部としての考えなどについて、いろんな角度から取材を受けた。
 雑談を含め、凡そ1時間。
 被爆稲栽培について取材を受けたのは、一昨年の長崎テレビに次いで、今回で2度目。

 新聞・テレビの取材でいつも思うことは、当然のことながら事実関係を必ず確認されるので、報道関係者の取材には気を遣う。

 被爆稲に実が入らない空籾が多いことは、遺伝子の損傷と言うよリ、「放射能によって新たな品種に変化してしまった」と言ったほうが当を得ているのかもしれない、と私は考えるようになった。
 そう考えると、放射能が人体に及ぼす影響はよく言われる健康被害の域を超え 、品種改良を目的とした遺伝子組み換えと異なり、計り知れない恐ろしさが潜んでいるように思えてならない。

 私はこの被爆稲を、「もの言わぬ原爆被害の生き証人」として、これからも気力・体力が続く限り作り続けるつもりでいる。 核兵器の恐ろしさを知るうえで、少しでも役立つことを願って・・・。


by matutaka31 | 2014-07-30 21:34 | 思いのまま | Trackback | Comments(6)
Commented by hibochan at 2014-08-01 16:27 x
遺伝子損傷でなくて新品種に変化
恐ろしいことです
昨日エノラゲイ 搭乗員の方亡くなり全員だそうです あれから八十年近くなりますが語り部として発信お願いします
Commented by taminamikawa1 at 2014-08-01 20:46 x
被爆稲の栽培をなさってから、9年目との由ですが、
枯らすことなく、継続なさっておられることに、
まず、頭が下がります。
被爆稲を後世に伝えていくためにも、
若い方々に繋いでいってほしいですね。
原爆の恐ろしさは論より証拠で、
被爆稲が物語ってくれるでしょう。
Commented by matutaka31 at 2014-08-01 23:11
hibochan さんへ
放射能の影響はまだ、学術的に解明されていないだけに
底知れぬ怖さがあります。
遺伝子組み換え品種は良い方向ををめざしていますが、
放射能の影響は、突然変異に似たようなものになるのではないかと
思うと本当に怖くなります。
Commented by matutaka31 at 2014-08-01 23:15
taminamikawa1
被曝者の平均年齢は、80歳になりました。
戦争・原爆の悲惨さを知らない人たちの社会に変った後、
再び戦争への道を歩くようで、子や孫の時代が思いやられます。
Commented by dojyou38 at 2014-08-04 11:40
被爆稲の栽培と被爆体験の語り部をずっと継続されていることに頭下がります。
被爆体験者、戦争体験者が高齢化し少なくなるにしたがって、
原爆・戦争の脅威が忘れ去られようとしています。
学校でも、現代史を殆ど教えていないようで、アメリカと戦争したこと知らない若者が多くなっていると聞きます。
現首相はそれを良いことに、戦争できる国にしようとしています。
何処かで、歯止めしなければなりませんね。
Commented by matutaka31 at 2014-08-06 10:13
dojyou38 さんへ
「アメリカと戦争したことが信じられない」という児童が増えている
と言う話を、ある学校で聞いたことがあります。
8月15日は何の日ですか?と問いかけると、下を向く子が多いのにも
驚きます。
このままだと、原爆・戦争を知らない者が、再び戦争への道を歩み
兼ねない恐ろしさを感じます。
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