ウォーキングの途中、通りすがりの屋根の下にふと目をやると、そこに黄色く色付いた干柿がつるされている。この時期よく見かける光景で、なんとなく郷愁を覚える。
ここ数日寒がしまって来たので今年も干柿を作ってみたいと思っていたところ、先日、姉の通院介護の途中、道端の八百屋さんの店先に「渋柿」があるのを見つけ、早速2袋(12個入り)買って来た。12個入り一袋500円、〆て1,000円の買い物。
早速皮をむいて2階のベランダに吊るした。
竿に吊るされた24個の干柿。吊るし柿とも言う
干柿を作るには、私なりのコツがある。
皮を剥いて竿に吊るしておけば良いというものではない。風通しが良くて満遍なく陽が当るように工夫しなければならない。
まず第一に、柿同士が重ならないように互い違いに吊るす。 その後、竿に馬乗りになっている紐を、一日おき位にひっくり返す。これで柿が陽に当たる部分がひっくり返り、満遍なく陽に当たるようになる。
その次に、中身を程よく揉み解すこと。
外側が乾いてやや硬くなった頃から、指先に力を入れず、表面が破れないようにやさしく揉み解してやる。これを2~3日置きに繰り返す。
干した柿の表面がやや黒味を帯びて、中身がまだ柔らかい頃のものが美味しい!
この味が忘れられなくて、揉み解しているとつい食べたくなり、干し上がったときには数が減ってしまう。
子供の頃、私はこの干柿が大好きで、家の軒先に吊るしたまだ未熟の柿をよく盗み食いしたものだ。
盗み食いするときは、1個というわけにいかないので必ず2個になる。理由は言わずものがな・・・。
問題はその後始末である。ばれないように吊るしてある紐の間隔を少しずつ広げて、一対を抜いたのが分らないようにする。(^。^)
その時の味は今も忘れられない。
そんな郷愁が、今も干柿を作って食べたい気持を駆り立てるのかも知れない。
そんなに美味しい干柿を、今の子供たちは見向きもしない。
ある意味では可愛そうな気もするが、・・・。