干柿を作る

 ウォーキングの途中、通りすがりの屋根の下にふと目をやると、そこに黄色く色付いた干柿がつるされている。この時期よく見かける光景で、なんとなく郷愁を覚える。
 ここ数日寒がしまって来たので今年も干柿を作ってみたいと思っていたところ、先日、姉の通院介護の途中、道端の八百屋さんの店先に「渋柿」があるのを見つけ、早速2袋(12個入り)買って来た。12個入り一袋500円、〆て1,000円の買い物。

 早速皮をむいて2階のベランダに吊るした。
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竿に吊るされた24個の干柿。吊るし柿とも言う


 干柿を作るには、私なりのコツがある。
 皮を剥いて竿に吊るしておけば良いというものではない。風通しが良くて満遍なく陽が当るように工夫しなければならない。
 まず第一に、柿同士が重ならないように互い違いに吊るす。 その後、竿に馬乗りになっている紐を、一日おき位にひっくり返す。これで柿が陽に当たる部分がひっくり返り、満遍なく陽に当たるようになる。
干柿を作る_b0008825_1034960.jpg
その次に、中身を程よく揉み解すこと。
 外側が乾いてやや硬くなった頃から、指先に力を入れず、表面が破れないようにやさしく揉み解してやる。これを2~3日置きに繰り返す。

 干した柿の表面がやや黒味を帯びて、中身がまだ柔らかい頃のものが美味しい!
 この味が忘れられなくて、揉み解しているとつい食べたくなり、干し上がったときには数が減ってしまう。


 子供の頃、私はこの干柿が大好きで、家の軒先に吊るしたまだ未熟の柿をよく盗み食いしたものだ。
 盗み食いするときは、1個というわけにいかないので必ず2個になる。理由は言わずものがな・・・。
 問題はその後始末である。ばれないように吊るしてある紐の間隔を少しずつ広げて、一対を抜いたのが分らないようにする。(^。^)
 その時の味は今も忘れられない。
 そんな郷愁が、今も干柿を作って食べたい気持を駆り立てるのかも知れない。

 そんなに美味しい干柿を、今の子供たちは見向きもしない。
 ある意味では可愛そうな気もするが、・・・。

 
by matutaka31 | 2014-12-06 10:19 | Trackback | Comments(6)
Commented by dojyou38 at 2014-12-06 15:23
柿が色づくと医者が青くなると言われるくらい栄養価が高いようですね。
私は知らなかったが、てっきり渋柿より甘柿の方が高いと思っていたら、
先日柿狩りに柿農家に寄りましたが渋柿の方が高かったです。
初めて知って驚きました。

Commented by hibochan at 2014-12-06 19:21 x
干し柿おばあちゃん思い出します
焼酎漬けも美味かった
蛇足ですが皮を剥いでお湯に茹でるのがコツなんだそうです
干し柿いただきましたが美味でした
Commented by matutaka31 at 2014-12-06 23:39
dojyou38 さんへ
渋柿の方が高いとは思いませんでした。
言われてみると、渋柿の方が加工・保存面で優れて
付加価値が高いのかも知れませんね。
美味しさの面でも、手間はかかりますが、渋柿の方が
一歩抜きん出ているように思います。
Commented by matutaka31 at 2014-12-06 23:42
hibochanさんへ
干す前に熱いお湯につけるのは、理にかなっていますね。
柔らかいふわふわした吊るし柿は、絶品です。
今年は予想以上の寒波が来ていますので、美味しい
干柿が期待されます。
Commented by taminamikawa1 at 2014-12-07 22:27
幼少の頃、実家では元旦に鏡餅の上には必ず、干し柿を
乗せており、正月の必需品でした。
今はそのような風習もなくなりましたが・・・。

食したら、美味しく忘れられない味ですが・・・、
確かに最近の子供はあまり食べないようですね。

ものの本によると、
作る人や所によっては皮をむいて干す前に、
いったん湯通して干すところもあるそうです。
Commented by matutaka31 at 2014-12-07 23:26
taminamikawa1さんへ
正月の飾り餅には、干柿は必需品だったですね。
それに細く切って、ナマスに入れていたのを思い出しました。
日本古来の習慣やしきたりが、どんどん失われて行くのは
寂しくなります。
お湯を沸かすのが面倒なので、湯通しは省略していますが
寒がしまってくると、良い干柿がでますよ。


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