映画「蜩の記」を観る

 何時もなんとなく気ぜわしく過ぎていくスケジュールのなかで、先週ボランティア活動の合間にぽっかり空いた時を見計らって、直木賞作家葉室麟の小説を映画化した「蜩の記」を仲間と見に行った。
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 小説「蜩の記」を読んでいたので、無実の罪で10年後に切腹を命じられ、その間に命じられた藩の歴史編さんに取組み、既に7年を過ぎ残り3年後に切腹を控えている戸田秋谷(役所広司)の生き様やその家族の心情をどのように演じるのか、また残り3年間の監視役を命じられた檀野庄三郎(岡田准一)が秋谷一家と共に生活するうち、戸田秋谷とその家族の人柄に胸を打たれ、切腹を命じられた真相を知るにしたがって正義感に目覚めるあたりを、映画ではどのように画くのだろうかと興味が募り、是非観てみたいと思っていた。


 観た感想は、切腹の日が決められた人間が死への恐怖を微塵も見せず、武士として筋を通して生きていく強い信念、そして家族や廻りの人たちへの気遣いなど人間としての美しさを感じ、久しぶりに背筋を伸ばしたくなるような思いがした。

 見所は、檀野庄三郎の太刀さばきだ。
 本物の日本刀を振り回した経験がある私には、真剣を思わせるような太刀さばきが見事であった。太刀が風を切る効果音も素晴らしい。
 とりわけ戸田秋谷の息子が家老に一矢報いようとしたとき、止めようとする家老の取りまきをすかさず庄三郎が太刀で止める場面、また戸田秋谷がどうせ捨てた命と啖呵を切り家老を殴り倒す一幕も、失うものがない者の強さを見事に示したもので、痛快そのものであった。

 妻手縫いの死に装束に身を固め、使いの者の後を一人で歩いていく姿、その姿をじっと見守る家族・・・、辛い別れのシーンは涙を誘う。
 久しぶりに格調高い映画を観た。
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by matutaka31 | 2014-12-08 21:25 | 思いのまま | Trackback | Comments(6)
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Commented by hibochan at 2014-12-09 07:21 x
映画最近殆ど見てません
もっぱらTVのお茶の間映画劇場
健さんの追悼映画すべて見ました
大昔公民館の庭で星を見ながら映画思い出します
Commented by dojyou38 at 2014-12-09 15:47
最近は殆ど映画を見ていません。
たまに見るのは「剣岳 点の記」など山岳関連の映画ばかりです。
一番最近見た時代物は「超高速参勤交代」でした。
「蜩の記」なかなか重厚なテーマのようですね。
機会があれば見てみたいです
Commented by matutaka31 at 2014-12-09 23:02
hibochan さんへ
昔、小学校の校庭で映画を観たことを思い出しました。
フイルムが痛んで、雨が降っていました。
懐かしい思い出です。
最近の映画館は、設備が良くて、リラックスできます。
Commented by matutaka31 at 2014-12-09 23:11
dojyou38 さんへ
最近のチャラチャラした番組ばかりのTVでは想像出来ない、
人としての道そして崇高な家族愛は、観る人の胸をうつ
物語でした。
機会があったら、きっと感動されると思います。
Commented by taminamikawa1 at 2014-12-09 23:12
最近では珍しく骨のある見ごたえのある邦画ですね。
武士の鑑と言って良いでしょう。
現在でも通じる力作です。
Commented by matutaka31 at 2014-12-10 10:35
taminamikawa1 さんへ
久しぶりに骨のある映画を観ました。
身内に男の子がいたら、是非一緒に見せてやりたい映画です。
映画は、テレビと違った味がありますね。


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