インターネットが取り持つ「70年目の出会い」

「70年目の出会いに感謝」のタイトルで書かれた記事が載った2015年8月9日M新聞長崎版が、手元に届いた。

 長崎の長与という町(当時は村)の同じ場所で被爆した2人が、インターネットを通じて70年目にして出会う、という記事である。 2人とは、長崎在住のM・Yさんと私自身のこと。

 新聞記事をそのままご紹介すれば前置きは必要ないのであるが、転載は差しさわりがあるうえプライバシーを大切にしているブログの手前、実名・年齢等は省くことにして、新聞そのもの様子を写真で見てもらうことにした。

 今年2月にM・Yさんから私に1通のメールが届いた。
そのメールには、こう記してあった。  
「被爆体験拝読させていただき驚きました。私が被爆した場所での被爆体験談でした。 原爆落下中心地から4.8㎞(私の被爆者手帳記載距離)離れた場所ででもほんとにこんな恐ろしいことが起きたんだと改めて胸に刻みました。
 2歳の時私は長与村駅前に住んでいました。私が飛行機の爆音にひどく怯えていたことと、被爆後、家族の中で私だけが髪の毛が抜けて食べ物を受け付けずに日に日に弱り鍼灸施術を頭にしてもらい九死に一生を得たことなどの話は母から何度も聞いていました。 しかし、被爆の瞬間の様子は何もわかりませんでした。 両親が生きている内にもっと詳しく聞いておけばよかったとずっと後悔しておりました。
 拝読して子や孫へ語るのに少し自信がついたように思います。ありがとうございました。」

 このメールを私は、自身のホームページ「戦争・被爆体験を語り継ごう」に紹介している。

 M・Yさんは45歳になって被爆の継承活動に力を入れてきたが、「私には語れる記憶がない」というジレンマがあったという。そんな時何気なくインターネットで自分が被爆した「地名」と「被爆」を検索したところ、M・Yさんの自宅すぐ側で被爆したという私のホームページ「私の原爆体験」に出会ったという。

 M・Yさんの活動を取材していたM新聞の記者がこのことを聞いたのがきっかけで、双方を取材して記事にしたのが冒頭のタイトルである。

 まず新聞記事の書き出しをそっくり引用しよう。(氏名はイニシヤルに書き換え)
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これが私の被爆の証だー。被爆記憶がほとんどない長崎市のM・Yさんは今年2月、自身のすぐ近くで被爆した福岡市のT・Mさんの体験記を発見し、周りで何が起きたのかを初めて知った。記憶がないことが悩みだったが、「これでようやく子や孫たちに語り継ぐことができる」。70年目の出会いに感謝し、新たな一歩を踏み出した。   
 
                   記事の写→

  更に、「旧国鉄長与駅で被爆した男性(私)の体験談を発見し、読んだ瞬間に取りはだが立った」とも。その時M・Yさんが直感したのが、冒頭の「これが私の被爆の証だー。」

 被爆体験を次世代につなぐ活動をされているM・Yさんは、私のホームページとの出会いで、今、「自分の被爆体験を纏め始めた」、と記事に書いてある。

 私自身も被爆の記憶が、所々途切れている。でもこの方との出会いで私は、「自分が覚えている限りの体験は語り継ごう」と決意を新たにしたのは言うまでもない。
 取材してくれたm新聞の記者さんに感謝!
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by matutaka31 | 2015-08-15 21:32 | 思いのまま | Trackback | Comments(6)
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Commented by taminamikawa1 at 2015-08-16 21:47
お二人の出会いはインターネットだったからこそ、出来たつながりであり、インターネットの特徴であり、良さでもありますね。
Commented by matutaka31 at 2015-08-16 23:15
taminamikawa1 さんへ
仰るように、まさにインターネットがとりもつ縁でしょう。
上手くインターネットと付き合うと、いろんな世界が開けてきます。

Commented by dojyou38 at 2015-08-17 04:39
まさにインタネットが取り持つ素晴らしい奇遇です。
最近、インターネットを悪用した様々な事件がありますが、
このような素晴らしい出会いを用意してくれることもあるようですね。
同じ科学技術も利用の仕方によって、
人間の平和・幸福をもたらすこともあれば、
戦争・不幸になることを物語っているようです。
Commented by matutaka31 at 2015-08-17 07:03
dojyou38 さんへ
定年後始めたパソコンのお陰で、いろんな出会いがあり、いろんな
経験があり、私の人生を楽しいものにしてくれています。
パソコンと向き合っていなかったら、こんな生き甲斐を見つけることは
出来なかったでしょう。
Commented by hibochan at 2015-08-17 07:21 x
被爆定見がネットを通じて共有し合える
不思議なことです
どうも苦手でパソコン機能使えきれません
でも記者の眼力に驚きます
Commented by matutaka31 at 2015-08-17 09:03
hibochanさんへ
改めて、ネット社会の進化に驚かされました。
仰るとおり、貴社の目の鋭さにも驚かされました。
これからも、インターネットの良い点を、出来るだけ活用したいと
思っています。


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