被爆70週年記念誌に寄せられた原稿を読んで

  私は今、原爆被害者の立場で、所属団体が進めている「被爆70周年記念誌」編集のお手伝いをしている。
 これまで会員から寄せられた多くの原稿のうち十数人の方のを読ませていただいたが、その全てが、実際に体験した人でしか書けない、原爆炸裂直後の状況やその後目にした悲惨な地獄絵等が鮮明に綴られ、また運よく生き残ったものの、その後の辛い闘病生活、周りの人から受けた偏見、放射線の影響に対する不安や心の葛藤など、70年後の今になっても消え去ることなく苦しめられている被爆の実態が極めて鮮明に書き記されて、原爆がいかに悲惨で非人道的なものであるかが改めて浮き彫りにされている。

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 私が最も力を入れてお手伝いをしている点は、寄せられた原稿を幾度となく読み返し、投稿者の気持を最大限尊重しながら、その心からの叫びを正確に文章で表現してさし上げ、後世に正確に伝わるようにすることである。
 中には訴えたい気持は痛いほどよく分るけど、その気持を文章に表すことが苦手の人もいらっしゃる。
 そうした方々には、時には電話で直接本人の気持を確かめ、あるいは修正した原稿を再度本人に届けて内容を確認してもらうなど、本人の訴えたい内容をそのまま表現してあげることである。



 
 このような被爆者の貴重な体験談をまとめた「70周年誌」が出来上がった暁には、世界で唯一の被爆国日本の広島・長崎で被った悲劇として、一人でも多くの方々に読んで頂きたいと願っている。
 そしてその冊子が「核兵器廃絶への道標」として、きっと役立つと信じている。
いやそうしなくてはいけないと心に誓って、編集のお手伝いをしている。
 
 一人でも多くの方々に読んでいただくには、まずその本を手にして貰わねばならならない。
 そのためには、言い古された回顧録的な表題ではなく、戦争や被爆体験のない人々の目を引く表題でなければならない。
 この表題こそが、これから私達が知恵を絞らなければならない、大切な課題である。

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by matutaka31 | 2015-10-19 20:22 | 思いのまま | Trackback | Comments(4)
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Commented by hibochan at 2015-10-20 08:10 x
被爆七十年高齢化とともに語り部の方もへりつつあるのでは 
生き証人としてこれからも頑張って下さい
Commented by matutaka31 at 2015-10-20 14:19
hibochan さんへ
励ましていただき、ありがとうございます。
体験者でしか語れないことがあります。
そのことを今後、どのようにして後世に伝えるかが最大の課題です。
Commented by taminamikawa1 at 2015-10-20 20:26
被爆された方々の生の声を掲載する「被爆70周年記念誌」の編集に携わっておられる matutaka31 さんに敬意を申し上げます。
多くの方に読んでいただき、原爆の恐ろしさ・悲惨さが後世に伝わればいいですね。
Commented by matutaka31 at 2015-10-20 21:27
taminamikawa1 さんへ
ありがとうございます。
被爆の実装がジワジワ風化していくのを肌で感じ、何とかしてこれを止めなくてはいけないと思っています。
学校での平和学習会で体験談を話しますが、生徒さんは真剣に聞いてくれます。
むしろ戦争を知らない大人たちの、無関心な様子が気になります。


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