子供の頃、母が甘酒を良く作って飲ませてくれた。戦後の砂糖が少ない時代だったので、いつまでも口の中に残るほのかな甘味が忘れられず、甘酒に出会う度に、子供の頃飲んだ温かい甘酒の美味しかった記憶を思い出す。
風邪を引くと母が、自家製の甘酒を温めて生姜を入れて飲ませてくれた。今でも忘れない、おふくろの味の一つ。
そんな甘酒が私は今も大好きで、郊外に出かけたとき道の駅や祭りの会場などで甘酒を見かけると、童心に還ったような気持になって、つい飲みたくなる。子供の頃の記憶にある美味しい甘酒に出会うことはあまりないけど、・・・。
左は手作りの甘酒、右は市販の甘酒(原材料:米・米麹、ブドウ糖・食塩と表示〉 もう3年前になるだろうか。仲間と宗像市 鎮国寺の梅見に行ったときのこと、小雪が舞うあまりの寒さに飛び込んだ茶屋で飲んだ甘酒の美味しかったことを、今でも思い出す。その時飲んだ小さなコップ1杯の甘酒は、最近記憶に残る本物の甘酒のおいしさだった。
今、甘酒ブームである。ビタミンB群など栄養豊富で便秘にも効くので飲む点滴とも言われるほどの人気ぶりで、スーパーに行けば製品化されたいろんな甘酒を買うことができる。一方、自分で好きなように作って飲む人のために、甘酒用米麹もたくさん陳列されている。
寒い日が続くと、生姜入りの熱い甘酒が飲みたくなる。甘酒なんて言わずにお酒の熱燗を飲めばいいじゃないかと言われそうだけど、お酒と甘酒の美味しさは全く別で、体が要求しているかのように、つい飲みたくなってしまう。 かといって出来合いの甘酒を買って飲もうとは思わない。
昨日、手作りの甘酒が飲みたくなって、甘酒作りに挑戦してみた。
作り方は、極めて簡単!で、材料さえそろえれば誰でも簡単に作ることができる。作り方はネットで検索すれば、いろんな作り方が紹介されている。
私が作った甘酒の作り方
国産の米:1合、水400CCでおかゆを炊く
市販の米麹:300g
炊きあがったおかゆを60℃に冷やして、ほぐした米麹をよく混ぜて、保温器で約9時間保温する。
出来上がった甘酒は、タッパーで冷蔵保存
ほぐしてばらばらにした麹 市販されている麹はブロック状に固まっているおかゆに麹を混ぜ合わせた状態 果たして、昔おふくろが作ってくれた甘酒と同じようなものができただろうか。多分、同じものは出来ないと思う。なぜなら、当時は麹も種麹を買ってきて、自宅で作っていたので、今の麹とは麹菌の種類も違うだろう。 また当時は、保温器なるものはなかった。甕に甘酒を仕込んで、周りを毛布でくるんで温めて作っていたので、出来上がるのに時間がかかっていたし、その間の保温具合が甘酒の出来を左右していたように思うから。
昨夜仕込んだ甘酒は、9時間後の今朝、もう出来上がっていた。
タッパーに入れて冷蔵保管する 出来具合の良し悪しはともかく、幼い頃の思い出に浸るには十分な甘酒になった。
出来上がった甘酒は、言うなれば味付けをしていないプレーン甘酒。シンプルな自然の味が好みであれば、そのままプレーンヨーグルトと同じようにおやつ感覚で食べるも良し、お湯を加えて温めて飲むのも良い。
また物足りない人は自分の好みに合わせて、生姜を加えたり、砂糖を足したり、食塩を少々加えるなど好みに合わせて味付けするのも良し。
何れにせよ、自分の健康にプラスになることを意識しながら、手作り甘酒のいろんな味を楽しんでみようと思っている。
これが手作りの甘酒の美味しさの秘訣である。
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