某県知事選挙に思う [2007-01-24]

強剪定と接木
  今年は統一地方選挙と参議院選挙の年で、年が明けて、世間はにわかに騒がしくなってきた。
 かわって園芸の世界では剪定・接木などこの時期にしか出来ない大切な作業の時を迎えている。選挙と園芸、全く関係ないこの二つの現象が、私には一脈通じるものがあるように思えてならない。
  園芸を生業としている人には、この強剪定と接木と言う二つの言葉は、自分の生活基盤をこれから先をどうするかを決める重要な意味を持つものである。
  伸びるがままにしていると、ある時期まで樹勢は勢いを増すが、管理を怠ると次第に勢いがなくなり、成る実も次第に小さくなるだけでなく肝心の味まで落ちてしまう。
それを防ぎ且つ健全に育てるため、園芸農家は余分な枝を剪定するなど日常の管理を欠かさないのであるが、時には思いっきり古い枝を切り落とし、新しい芽を伸ばして樹勢の回復を図る、いわゆる強制的な剪定(強剪定)を行うことがある。そのことによる一時的な減収も敢えて辞さない思い切った若返り策である。
  ところが、この強剪定による若返りは、あくまでも今までのDNAを受け継いだものであり、その木が本来持つっている品種特性は変らないのである。
そのため、その品種が消費者ニーズに合わなくなってしまえば、いくら作っても売れなくなり、厳しい販売競争から取り残されてしまうのである。
  一方、新しい知識や情報を吸収し消費者のーズを的確に把握した人は、新たな品種の枝を仕入れて、今まで育ててきた木の枝に接木をする。つまり同じ木に異なるDNAを植え込み、今までに育てた木を利用して新しい品種の果実を手に入れる方法を選ぶのである。
  今回行われた某県知事選挙は、この強剪定による若返りをねらった人と、異なるDNA持つ枝の接木をして新しい品種を手に入れようとした人との違いを見るようでならない。
by matutaka31 | 2007-01-24 22:35 | 思いのまま | Trackback | Comments(0)
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