関西方面に関わりのある方でないと、「こつまなんきん」と聞いたとき思い浮かべるのは「
今東光和尚」の小説、小柄で味のある河内女の物語ではなかろうか。
ここで話題にするのは、勝間(こつま)南京(カボチャ)、つまり「こつまなんきん」である。
聞くところによると、このカボチャは現在の大阪市西成区玉出町付近(旧勝間村)が原産地であったことから、この呼び名が生まれたのだという。
私は、関西から移り住んだ近所の方からこのカボチャをいただいたのがきっかけで、2年前からこの「こつまなんきん」を菜園で栽培している。
蔓はあまり延びず葉も小さく、病虫害にも強そうで、狭いところでも作りやすいカボチャである。
実は600g~900gほどの大きさで、甘味が少なく、ホクホク感がないので喉をすんなり通る、食べ易さとサッパリした味が特徴である。
正に小粒ながら味のいいカボチャである。
このカボチャ、私の知り合いの間で、「サラダカボチャ」の異名で話題になり始めている。
今年春苗が余ったので、ボランテイアグループの近所の菜園愛好家に苗を差し上げたところ、このカボチャがたくさん採れたため知人におすそ分けしたそうである。
ところが、味噌汁の具にしたり、サラダで食べると美味しいと評判になり、「こつまなんきん」ならぬ「サラダカボチャ」の異名で囁かれていると言う。
大阪の産地ではけしからんと言うかもしれないが、食感と実用の面から生まれたネーミング、ひょっとすると甘いカボチャに飽きたグルメにとって、面白い話になるかも?