4月28日(月)、福岡市原爆被害者の会第53回定期総会に出席した。
13時開会した総会が終了したのは15時半、この種の団体にしては長い、およそ2時間半もかかった定期総会であった。 それもそのはず、壇上に居並ぶ十数名の来賓全員の挨拶だけで約1時間を費やしたのだから。
この日報告された内容によると、会員平均年齢は74歳だという。
体調が悪いのに無理して出席されたようなお年寄りも数多く見受けられる会合だけに、1時間にも及ぶ来賓挨拶だけでも疲れ果ててしまうのではないかと心配になる。
平成19年度現在、福岡市原爆被害者の会に入会している人の数は1,360名で、平成10年度の1,754名から9年間で394名も減少している。そして平成19年度中に亡くなられた会員は16名に達しているのを見ても、被爆者が急速に減少している現実がよくわかる。
年を追って被爆者の高齢化が進み会員数が減少していく現実を直視すると、この会の性格上関係団体の支援・協力がないと運営が難しくなるから、来賓全員に挨拶をお願いしなければならない主催者側の苦悩のあとがうかがわれる。
それだけではない。総会を通じて浮き彫りにされたのは、被爆後63年を経過する中で、被爆者の高齢化により被爆体験を語り継ぐ人が少なくなっている一方、原爆の脅威に対する国民の意識が風化していく現実があり、今後いかにして核廃絶の活動を継続していくか、そしてその活動を強化するため会の運営をどうするか等の問題が山積していることである。
2時間半という長い総会であったが、被爆者の一人として、現在直面している深刻な問題にどう取り組むべきか,あるいはどう向かい合うべきかを、改めて今一度考え直す機会になったように思う。