心温まる光景

 先週土曜日朝、何時ものとりJR筑肥線周船寺駅から福岡空港行き電車に乗った。
私の前に杖をついた白髪のご夫人が乗り込んだが、生憎座席が空いていない。 ご夫人は周りを見渡し、席がないのを確かめると、ごく当り前のように座席横の支柱につかまっておられた。

 周りの座席には老若男女が、何時も見かける様々な形で座っているが、誰一人として席を譲る気配がない。 誰か席を譲ってあげればいいのに、と思うとなんだか寂しい気持になる。
なんとなく冷え切った空気が、一瞬車内にみなぎる。
最近、こんな光景は珍しくない。

 ところが走り始めて間もなく、近くの座席に座っていた小学生の男の子の前に立って本を読んでいたお母さん(と思しき人)が、その子供になにやら優しく耳打ちをしていた。
 本を読んでいた男の子は、スッと立ち上がり件のご夫人の側に行き、なにやら話しかける。(多分、どうぞ座ってください、と言ったのであろう)
ご夫人は、笑顔で“いいよ、いいよ”と言うそぶりをしたので、その子のお母さんが子供の助太刀をして、「どうぞ」と座るように促す。

 ご夫人は嬉しそうに“有難うございます”とお辞儀をして、満面の笑みをうかべてその席につかれた。そして席を譲ったお母さんと子供は、何事もなかったように、少し離れた場所で二人並んで本を読んでいた。
一部始終を、近くで眺めていた私は、ホッとして、心が温まる思であった。

今の日本では、このような出来事は、もう当り前の光景にはならないのだろうか。 
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by matutaka31 | 2008-05-20 11:21 | 思いのまま | Trackback | Comments(0)
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