福岡市 西公園の現状を憂う

 先月、「福岡市西公園銅像・石碑管理の不思議」というタイトルで、加藤司書公の銅像のことを中心に若干景観問題に触れた内容を投稿したが、それだけでなく西公園全体の現状についていろんな疑問があったので、その疑問を質すと同時に当局の管理の考え方を聞きたいと思い、同じ思いの仲間と一緒に福岡県庁の公園管理責任部署を訪ねた。

 一市民が単独で訴えても、まともに聞いてもらえないだろうし、直ぐに改善してくれるとは思えないけど、あまりにもずさんな管理を見て見ぬ振りはできなかったので、あえて一市民の声として聞いてほしいと訴えた。

 福岡市の西公園といえば、多くの人は「桜の名所」と答えるくらい、花見時は賑わう公園だった。しかし今の西公園は、桜の木も老木となり、鬱蒼と茂った木々で見通しのきかない暗いイメージの公園となり、地元の人も「昼間でも怖くて一人歩き出来ない」と言うほどで、国道を挟んで南側にある、終日大勢の人出で賑わう「大濠公園」とあまりにも対象的である。

私達が疑問に思った具体的なことは、・・・
①公園の頂上付近にある「加藤司書公歌碑」とその歌碑を示す「石柱」の周りが、日頃手を加えているとは思えない状態になっていること、更にその側にある石碑がなんであるかも分からない状態に放置されている。
 同じ時代の勤皇の志士「平野次郎國臣」の銅像の行き届いた管理が為されているのに、この違いは市民の目には異様に写ってしまう。

②頂上付近の展望台は、一箇所を除き立木に遮られて眺望がきかない等、西公園の良さが失われたままで、本来あるべき景観が損なわれているばかりか、開店休業みたいな店もあり活気が感じられない。
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③遊歩道は、一人で散策できるような雰囲気はなく、人影がほとんど見られない。一方車道は整備されているので車はひっきりなしに通過する。でも道路脇に駐車している車の中に見かけるのは休憩中の運転手ばかりで、正にドライバーの憩いの場と化している。

④福岡市内に在る5つの県立公園の中でも、この西公園は「東公園」、「大濠公園」と並ぶ市民にとっては存在価値の大きい公園である。それなのに、公園と国道を挟んだ反対側の「大濠公園」は綺麗に整備され大勢の市民で賑わっているのに、この公園は、市民に見放された格好にになってしまっている。
 
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境内には人影も鳩の姿も見えない寂しさが・・・


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 (公園入り口正面を登りつめたところに、黒田如水と長政を祀る光雲(てるも)神社がある。昭和20年6月の福岡大空襲で消失したが、昭和41年に立派に再建された。その境内には黒田節でお馴染みの母里太兵衛の銅像があるが、私達が2度訪ねた時、一人の参詣者も見かけなかった。)






 概略以上のことを伝えたのに対し、西公園は風致地区に指定されていて難しい問題がある中で、整備は入り口方面から順次進めている。しかしながら頂上の方まで行き届いていないのが現状である。周辺住民からもいろんな要望をいただいているし、問題点も承知している等々、懇切な説明を受けた。約1時間、有意義な情報交換が出来たのは良かったが、私どもが聞きたかったこと、即ち、直ぐにでも出来る筈の石碑等の修復の考え、更には西公園の整備の将来像というか整備のコンセプトについては、予測したとおりとはいえ、残念ながら聞くことは出来なかった。 

 県が積極的に市民の声を反映した計画を進めることになれば、市民の協力も得られるだろうし、大濠公園・福岡城址舞鶴公園と共に市民が誇れる一大公園地帯が出来上がると思うので、今後の県の動向を見守ることにしよう。
 私達が投じた小さな一石の波紋が、次第に大きなうねりになってくれればと期待しつつ・・・。
by matutaka31 | 2012-12-05 18:29 | Trackback | Comments(2)
Commented by dojyou38 at 2012-12-07 17:23
確かに山頂からの博多湾の景観は素晴らしいですが、
樹木が繁りだんだん眺望も効かなくなっているようですね。
そうなると益々市民が近付かなくなるでしょうね。

山でもそう言うところが増えています。
近くの可也山なども展望所周りの樹木が伸び放題。
このままだと登山者も減るでしょうね。

役所は国の補助などで新しい物を造るのは熱心ですが、
造りっ放しでメンテナンスは後回しが多いようです。
それで、トンネル事故のようなことも・・・
Commented by matutaka31 at 2012-12-08 09:18
dojyou38さんへ
市民はもっと行政当局に意見を出すべきだと思います。
当局の担当者は、意見がなければ問題ないものだと誤解してしまうようです。
そしてもう一つ注意しなけれがならないのは、“その問題は出先に言ってください”とか“詳しいことは出先に聞いてください”といった役所の常套手段ですね。
このような、矛先を変え、するりと逃げるのを許してはいけないと思います。
役所は、新しいことをするのは手柄になるけど、後始末(メンテナンス)にはあまり好まないようですね。
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