ホテルや大勢の人が出入りする施設のトイレでよく見かける、トイレットペーパーの三角折り、
その呼び名は「ファイアーフォールド」
これまで私は、「トイレの清掃済み」を、それとなく利用者に知らせるものだと思い込んでいた。しかも日本人特有の気遣いで、呼び名があることさえ知らなかった。
ところがそれは思い違いで、それなりのちゃんとした由来と呼び名があったのを最近知った。
その由来はアメリカで、消防士がトイレの中で緊急出動命令を受けた時、すぐペーパーが使用できるように考えられた方法で、「ファイヤーホールド」と呼ぶのだという。
な~るほど!ファイヤーホールド、直訳すると「火事・折り畳み」となる。聞いてみるとなんとなく納得。
ついでに少し詳しく調べてみようと思い、手元のコンサイスをめくってみたが、「fire fold」は見当たらない。
ネットで"Hotel toilet-paper folding"と検索すると、あった。
でも細かい内容を読むほど関心はないので、読むのをやめてしまった。
日本では、昭和30年代に、帝国ホテルの清掃員が「清掃の完了」の目印として取り入れたのが始まりで、その後ホテルや多くの人が利用する施設に普及していった、という。
今まで、呼び名があるとすら知らず、ただ「親切な気遣い」程度にしか思っていなかったものが、れっきとした呼び名があったとは驚き。
さて語源は別としてこの三角折りについて、どうやら賛否両論があるらしい。
と言うのは、「清掃済み」を知らせる手段であれば清潔感を与えるので良いのだが、後の人が便利なようにとの親切心で、使った人がその手で折るのはどうもいただけない、という意見があるらしい。
つまり、トイレ使用後の手で折るのは不潔だというのがその理由だそうだ。
中には三角折り部分をちぎって使うという人もあるとらしい。
こうなると親切が迷惑行為になってしまう。
どうやらこの三角折は、消防署など緊急を要する施設以外では「清掃済み」を知らせる手段に止め、通常トイレを利用するときの習慣にはしない方が良いようだ。