大雪と12月8日、そして水仙の花

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 12月7日から冬至までの期間は暦の上で「大雪」。
 山岳だけでなく平野にも降雪のある時節という24節気の一時期にあわせたように、当地では、それまでの暖かさが一変して文字通り冬将軍がやってきた。



 そして12月8日は、日本軍がアメリカの真珠湾を奇襲した太平洋戦争の始まりの日。

 この大戦で日本兵士230万人一般市民80万人合わせて310万人の尊い命が失われてしまった忌まわしい歴史の始まりで、日本人として絶対忘れてはいけない日である。
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 尊い命を落とした310万人の人たちは、戦争さえなかったなら幸せな人生を送れたはずである。こんな悲しいことがあっていいものか。二度と繰り返してはいけない悲劇。
 戦争と原爆体験の語り部として平和の尊さ、命の大切さを訴える度に、そんな思いを強くする。



 7日は地域のひょうたん池の花壇管理のボランティア作業の日だった。
 どんより曇って、今にもみぞれが降りそうな天候の中、花壇管理のボランティア作業。
 メンバーは高齢者も多く、この寒さのためか、集まる人も少なく日頃の半分の5人だけ。

 「大雪」、そして冬将軍が押し寄せるこの時期だというのに、池のほとりでは、早くも水仙の花が咲いていた。
 ほのかに甘すっぱい香りが漂い、寒い中で作業する人の心を和ませてくれる。

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日本水仙の花

 これから寒さに向かう時期に、懸命に咲く水仙の花を見ると私は、12月8日を意識するためか、なぜか若くして招集された若者の顔が重なってしまう。
 やっと大人の仲間に入ったばかりの紅顔の青年が、厳しい戦地に向かう情熱に満ちた表情をしながらも寂しさが漂う姿を想像してしまう。

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 戦地で命を落とした青年たちは、さぞつらかっただろうな~、さぞ残念だっただろうな~と、その心情を推し量ると悲しさがこみあげてくる。


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by matutaka31 | 2018-12-09 14:43 | Trackback | Comments(8)
Commented by hibochan at 2018-12-10 07:19 x
この時期太平洋戦争 忠臣蔵放映されますが
平和ボケのせいか忘れてるよう
昨日知人より日本スイセン頂きました 植え込む予定
でもこちらも寒くなりました
Commented by yyyanoy at 2018-12-10 14:36
大切にお手入れされて、さすがにきれいです。

私は戦争中に生まれたので名前に「洋」が付いてます。
戦後、国立病院の焼け跡はなんとなく記憶にあります。
Commented by matutaka31 at 2018-12-10 22:32 x
hibochanさんへ
12月8日を何の日か、知らない人が多くなりました。
時代の変化とは言え、寂しくなります。
水仙は、日当たりのいいところに植えると、ひとりでに
どんどん増えてゆきます。
Commented by matutaka31 at 2018-12-10 22:37 x
yyyanoyさんへ
ご両親の当時の心境が偲ばれます。
私は12月と8月は、当時のことを色々思い出します。
水仙の花が咲くと、厳しい冬に向かうと同時に、
その先には春が待っていることを連想します。
Commented by tenpai8 at 2018-12-11 15:08
小学入学のその年、唯々為政者の虚言に国中が酔い痴れ、勝ったカッタ!の空言の中、アット言う間に敗戦地獄。
12月8日と8月15日は、幼少の鮮烈な思い出ですね。
水仙の清い香りで、気分を爽快に吹飛ばしたいものです。
Commented by matutaka31 at 2018-12-11 15:23 x
tenpai8さんへ
もし私が数年先に生まれていたら、きっとこの世にいないだろうな~、そう思うと複雑な気持ちになります。
幸運にも戦禍を免れたこの命、大切にしたいと思います。
Commented by taminamikawa1 at 2018-12-11 22:03
戦争は欲望を満たすために行われると言われていますが、世界は自国第一主義の名のもとに中国はじめ、日本の周辺で侵略行為が行われている。
相手の挑発に乗ることなく、専守防衛に徹してもらいたいですね。
Commented by matutaka31 at 2018-12-12 11:18 x
taminamikawa1 さんへ
私は最近、日本の動きが大戦前のような足音が聞こえるようで、
これでいいのかな~と、漠然とした不安に駆られることがあります。
戦争の怖さを知らない世代が多くなった今、平和のありがたさを考える時期だと思います。

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