家庭菜園の話をすると、大方の人は「健康的でいいですね」とおっしゃる。
菜園の現場で出会う人は、道端から眺めるときれいに見えるのか、「立派にできていますね」、「お元気そうでいいですね」と上手に褒めていただく。
そのたびに私は、「ありがとうございます」、「おかげさまで元気にしています」と笑顔で受け答えするのだが、・・・。
話が弾んでくると更に、「無農薬できれいで新鮮な野菜が食べられていいですね」と追い打ちをかけられることも。 そこまで話が進んでくると、それまで笑顔で答えていた私は返事に困り、顔が引きつりそうになる。
我が家庭菜園の一部(白いトンネルは防虫網) 野菜を自分で作ったことがない人の中には、無農薬で野菜ができるのだと本気で思っている人もいるようで、家庭菜園イコール無農薬栽培と映るらしい。
それもそのはず、スーパーに並んでいる野菜に虫が食った跡かたがついたものを見ることができないから。
無農薬栽培なんて「夢のまた夢」ですよと言いたくなるが、その方の夢を壊したくないし、そうではないのですよと話すと、何回使うのですかと、ややこしい話になりかねないので、あえて私は「家庭菜園は雑草と虫との闘いですよ」と当たり障りのない返事でその場を切り抜けることにしている。
でも多くの人は、無農薬で野菜ができるとは思ってはいないし、虫も食べないような野菜は美味しくないですよね」と素直に現実を見ていらっしゃる。
露地栽培で無農薬栽培の難しさを私は、十数年の家庭菜園を通じて身をもって嫌というほど体験してきた。
無農薬栽培だとどうなるか、恥ずかしながら私の菜園の姿をご覧いただこう。
キャベツは青虫とヨトウムシのえさ場になり、無残な姿に
親しい菜園仲間からは時々、「青虫の餌を作っていますね」と笑われてしまうこともある。
青虫はモンシロチョウが産み付ける卵から生まれる虫であることは先刻ご承知だと思うが、そのモンシロチョウは、家庭菜園の定番ともいえる白菜、キャベツ、小松菜、ブロッコリー、カリフラワーなどお馴染みのアブラナ科の野菜に卵を産み付ける習性があるので、青虫を防ぐには、モンシロチョウを寄せつけなければいいのだが・・・。
防虫網の中はターサイ アブラナ科野菜全部に防虫網を張り巡らせばいいのだが、結構手間がかかるので、ついつい青虫の餌食になってしまう。
「虫を発見したらその場で取り除く」ことができればいいのだが広い菜園では、朝から晩まで虫の動きを監視しているような暇もなく、根性もないので、とどのつまり農薬を使ってしまうことになる。
でも私はできるだけ農薬は使わないことにして、主に幼苗のころに限定して使用することにして、特に生で食べる野菜の収穫時期には絶対使用しないようにしている。
虫と雑草との闘いは、今日も続く!
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